●秋を告げるみずみずしい「梨」はこんなに栄養アリ
夏の終わりと秋の初めのくだもの「梨」。
冷やした梨をかじれば果汁がジュワっと、さわやかな甘さとともに口中にひろがります。
昔は「無し」に通じるその名前が嫌われたようですが、「なしのみ」を「ありのみ」と言うこともあるとか。
まさに、梨は栄養「ありのみ」。漢方で薬効のある果物とされるほど健康に良いのです。
梨特有のシャリっとした食感は、果肉中の石細胞と呼ばれる食物繊維(ペントース、リグニン)。これが腸壁を刺激し、甘み成分のソルビトールは便を柔らかくしますから、便秘解消に効果があります。 気になるカロリーも100gで43kcal、1個100kcalくらいですから、ダイエットにも適しています。
また、カリウムが含まれ高血圧予防にも効果的。ところでこの「梨」、日本では日本書紀に記載があり、栽培の歴史は1千年以上ともいわれています。
明治の頃から品種改良が盛んになり、現在さまざまな種類がありますが、実際どれぐらいあるかご存知ですか?
日本梨は大別して青梨系と赤梨系に分けられます。
青梨系は「二十世紀」がその代表。ほどよい甘さと酸味があり、果汁も豊富です。
他には「新世紀」「雪井」「菊水」「八雲」などがあります。 赤梨系は「幸水」「豊水」が代表的で、他に「新水」「新高」「新興」「長十郎」「愛宕」などがあり、最近品種が増えています。果肉がやわらかめで、多汁で甘みが強く、酸味がほのかにあるのが特徴です。 昔は身が少し固めの「長十郎」をよく見かけましたが、今は身が柔らかい品種が人気のようです。
幸水・豊水など夏果実は冷蔵庫の野菜室(約5度)に冷やして、なるべく早く新鮮なうちに食べた方がよいでしょう。冷やしすぎると甘味を感じなくなります。新高・新興などの秋果実は冷やさなくても美味しく、わりあい日持ちします。
青梨は果皮に透明感が出てクリーム色になってきたころ、赤梨は色が濃く、斑点がはっきりしてザラついたころが食べごろです。 皮をむくと色が変わるのはポリフェノールが含まれている証拠。むいたらすぐに食べましょう。品種も栄養もいっぱいある「梨」。歴史も古く、二十世紀に大躍進したこの果物を、ヘルシーな食後のデザートに、そして朝の目覚めの水分補給として、旬の今ぜひ味わいたいものです。