ビタミン・ミネラルは、これが無いと生命が全きを保つことができないため、「保全素」と言い、生命が円滑な代謝を営むのに必要な微量成分です。これらを総称して「五大栄養素」と言います。三大栄養素(たんぱく質・脂肪・炭水化物)をエネルギーや身体の構成分として利用するためには、分解して化学反応を起こさなければなりません。これを「代謝」と言います。この代謝を促進する役割をするのが「酵素」です。ほとんどのビタミンは、この酵素のうち体内で合成不可能な「補酵素」であり、不足すると代謝が滞ってしまいます。体内では合成できないため、食事から摂り続ける必要があります。またビタミンはそれぞれが相互作用によって働きますので、バランスよく摂る必要があります。
ビタミンには脂(油)に溶ける脂溶性ビタミンと、水に溶ける水溶性ビタミンがあります。
●脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・K)は、摂取しても使い切れなかった分は翌日以降に持ち越されますので、摂りだめがききます。しかし、大量に摂ると過剰症になる場合もあります。これらのビタミンは油に溶けて吸収されやすくなるので、野菜などは炒めたり、揚げたりすると効果的です。
●水溶性ビタミン(ビタミンB群、C)は、大量に摂取しても水溶性のため、体内に排出されるため、摂りだめがききませんので、必要量を毎日摂ることが大切です。特に加熱調理による損失も大きいので、蒸したり、レンジ加熱したりすると短時間で調理できるので調理損失が少なくてすみます。
■ビタミンAの働き-----ビタミンAは視覚機能に関係する物質で、欠乏とする夜盲症(トリ目)になります。 急に暗い場所に入ったとき、目が暗さに慣れるまでに長く時間がかかるのは、ビタミンA不足の初期症状です。またビタミンAは目・気管・皮膚などの粘膜の形成・機能にも関係しています。 そのためビタミンAが不足すると、結膜炎やカゼにかかりやすくなったり、皮膚がカサカサになったりします。緑黄色野菜に含まれている体内でビタミンAに変わるのがカロテンといい、うなぎなどに含まれてるものがレシチンです。
◆ ビタミンAが多く含まれる食品
うなぎ、肝油、チーズ、バター、牛乳、卵黄、緑黄色野菜(モロヘイヤ、にんじん、かぼちゃ、ほうれんそうなどの青菜類)、みかん、のりなど。
■ビタミンB1 の働き-----ビタミンB1は、糖質が燃えてエネルギーとなるときに不可欠です。穀物・砂糖・アルコール類を多くとる人は、B1も多めにとる必要があります。B1の欠乏症は”脚気”です。 現在の日本では本格的な脚気はきわめてまれですが、偏食によってだるさ・むくみなど潜在的な脚気症状が出ることもあるので注意が必要です。
◆ ビタミンB1が多く含まれる食品
酵母、肝臓、肉、胚芽、豆、玄米、チーズ、牛乳、緑黄色野菜など。
■ビタミンB2 の働き----ビタミンB2には成長促進作用があるので、とくに成長期には充分とることが大切です。また、B2には食欲に関係するほか、口・皮膚?口腔などの粘膜を正常に保つために必要です。B2が不足すると目の異常や口角炎、口内炎などが起ります。
◆ ビタミンB2が多く含まれる食品
酵母、肝臓、肉、卵黄、緑黄色野菜など。
■ビタミンB6 の働き-----ビタミンB6はたんぱく質の代謝に重要な役割をはたしています。B6の欠乏症は人間ではまれですが、目・口・耳・鼻の周囲に皮膚炎が起ります。ほかに、貧血、むくみ、末梢の神経炎などが起るともいわれています。
◆ ビタミンB6が多く含まれる食品
酵母、肝臓、肉、卵、乳、魚、豆など。
■ビタミンB12 の働き-----ビタミンB12はたんぱく質の代謝に関係するほか、血液中にある赤血球が作られるときに必要です。 ビタミンB12が欠乏すると赤血球を作るしくみがうまくいかず、“悪性貧血”になります。
◆ ビタミンB12が多く含まれる食品
肝臓、肉、魚、チーズ、卵など。
■葉酸の働き-----葉酸はたんぱく質やたんぱく質の構成成分であるアミノ酸の代謝に関係しているビタミンです。 とくに妊娠期には多く必要となることが知られています。 葉酸が欠乏すると”巨赤芽球貧血”がおこります。 これは、赤血球が通常の成熟した形でなく未熟なまま血液中にあらわれて貧血となるものです。
◆ 葉酸が多く含まれる食品
酵母、肝臓、肉、卵黄、胚芽など。
■ビタミンCの働き-----ビタミンCの欠乏症は体の各部から出血する”壊血病”です。 ビタミンCは細胞と細胞をつなぐコラーゲンというたんぱく質の合成に関与しているため、不足すると血管壁の結合がゆるんで出血します。 歯ぐきから出血しやすくなったらビタミンC不足の危険信号です。 この他にもビタミンCには、日焼けや皮膚の色素沈着を防ぐ、鉄の吸収を助ける、免疫のしくみを正常に保つなど、幅広い働きがあります。 さらに、ストレスを多く受ける人、タバコをよく吸う人は、ビタミンCの必要量が増すことがわかっています。最近の研究では、がん予防にビタミンCが効果的という疫学調査結果も出されています。
◆ ビタミンCが多く含まれる食品
いちご、キウイ、みかん、緑黄色野菜(モロヘイヤ、こまつな、かぼちゃ)、キャベツ、きゅうり、だいこんなど。
■ビタミンDの働き-----ビタミンDは、カルシウムの吸収・沈着が正しく行われるために必要です。 乳幼児期に不足すると背骨や足の骨が変形したり、頭の骨が薄くなる”くる病”に、大人で不足すると骨がもろくなり、変形して痛む”骨軟化症”になります。 とくに妊産婦や高齢者はビタミンD不足におちいりやすいので要注意です。
◆ ビタミンDが多く含まれる食品
肝油、魚、卵黄、しいたけ、酵母、緑茶など。
■ビタミンEの働き----- ビタミンEは妊娠・出産と関係の深いビタミンとして発見されました。ビタミンEには末梢血管を拡張し、血液循環をよくする働きもあります。冬、しもやけや冷えに悩まされる人は、ビタミンEの補給を心掛けるとよいでしょう。 さらに、最近とくに注目されているのがビタミンEの抗酸化作用です。体内で脂肪が酸化すると老化や動脈硬化を進める有害物質ができますが、ビタミンEを充分とっておけば、これを防ぐことができるのです。
◆ビタミンEが多く含まれる食品
植物油特に胚芽油、大豆、穀類、豆、緑黄色野菜など
■ビタミンK-----ケガなどで出血したあと、血液が固まって血が止まるためには”プロトロンビン”という物質が必要です。ビタミンKはこの物質の生成に重要な役割をはたしています。 そのため、ビタミンKが欠乏すると出血しやすくなり、臓器内や皮下での出血もみられるようになります。
◆ ビタミンKが多く含まれる食品
肝臓、緑黄色野菜など。
■ビタミンのかくれた欠乏が心配■
◎ 疲れ、だるさ、眠気などの症状はB群ビタミン不足
ビタミンB1、B6、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸などの神経の働きを正常に保つ働きをしています。これらが不足すると、上の症状のほか、集中力の低下、やる気がでない、憂鬱などの症状が現れます。
◎ アルコールをよく飲み、偏食する人は不足しやすい
大量に飲酒し、食事を十分にとらないと、たんぱく質やビタミンB1、B2、B6、B12、葉酸、ニコチン酸などが不足しがちです。また、アルコールには、ビタミンB1の吸収を阻害する作用があるので、飲酒によって二重の意味で不足しやすくなります。
◎ 肌荒れや口内炎はB群不足の危険信号
ビタミンB2、B6、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸は、皮膚や爪、髪の毛、粘膜などを正常化する働きがあります。湿疹ができやすい、爪がもろい、口内炎ができやすいなどの症状は、これらのビタミンが不足している危険信号かもしれません。
◎ 糖尿病や妊娠中の人は十分に補給を
糖尿病患者は、ビタミンB12が吸収されにくくなります。神経障害を合併する場合は、B12と一緒にB1、B6を補給すると症状が改善することがあります。またビタミンB6は妊娠糖尿病を予防します。ビタミンB6は妊娠中に必要量が増加するので、不足しないようにすることが大切です。
◎ 高齢者ほど気をつけてB群ビタミンの補給を
高齢者になると食事量が少なくなるため、B群ビタミンではビタミンB1、B2、B6、葉酸、ナイアシンなどが不足しやすくなります。ビタミンB6と葉酸には骨を健康に保つ働きがあります。これらを十分にとりたいものです。